研修の評価モデル:カークパトリックの評価モデルについて

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カークパトリック(kirkpatrick)

From: 松田航

「満足度の高く、とてもいい研修でした!」

この言葉を聞くために、研修担当や研修会社はコンテンツを作り、カリキュラムを構築して、優秀な講師を当てて、講師とともに場を盛り上げる。

いい講師がまっとうな授業をすれば、満足度の高い研修を実施したという評価は得られる。

しかし、それが成果につながっているかというと、、、

必ずしもそうではないのが現実だ。

アンケートと成果はやはり違う

例えば、まったく課題をやってこなかった新入社員を叱ったとしよう。

「いい加減にしないか! ここは大学じゃない。給与を貰って教育を受けさせてもらっているのを自覚しろ!」

他にも、遅刻した新入社員を叱ったとする。

「遅刻するな! 3分前には席に座っていろ!」

真っ当な叱り方だ。きっと、新入社員時代に受けるこういった叱責は将来の糧になるだろう。本人にとっても、企業にとっても、いい叱責となる。

では、研修プログラム後にアンケートを取ったとき、評価はどうなるだろうか?

内部講師であればともかく外部の講師であれば、アンケート評価はとても厳しいものになるだろう。叱られて気分が良くなる人はいない。

こういったその場その場の瞬間的な感情で評価がぶれてしまうのがアンケートだ。

もちろん評価は低いよりも高い方がいいので、アンケートをとるにはとるが、最重要視するかは別問題だ。

ではどのように研修そのものの評価をすればいいのか?

カークパトリックの評価モデル

次のシンプルな評価モデルがある。

ドナルド・カークパトリック(kirkpatrick)による「研修成果の4段階評価」モデルだ。

1950年代から発表されたモデルなのでかなり古いし、各種の疑問もあるにはあるが、シンプルでわかりやすいだろう。

4つの視点で評価しようという話だ。

Level 1 反応(Reaction)

Participant satisfaction

これはいわゆる受講生の満足度評価だ。

  • 参加者がこのプログラムに対してどう感じたか?
  • 何かを学んだという感覚があるか?
  • 使えそうな気がするか?
  • 研修一連について効果がありそうか?

などが評価対象になる。

研修後にアンケートを取りましょうということだ。アンケートを5段階評価などにすることもでき、数字が判断ができるのは便利だ。

また、既存の知識でどれくらい知っていた?などの質問を投げておけば、研修プログラムの調整に使える。

Level 2 学習(Learning)

What the participant learned in class.

この学習プログラムで何を学んだかの評価だ。

  • どのようなスキルを習得したか?
  • どのような知識を習得したか?
  • 参加者が何を学んで、何を学ばなかったか?
  • PreテストとPostテストの結果はどうだったか?

などだ。

具体的で定量化できる何かを作る必要がある。例えば、ペーパーテスト、スキルテスト、シミュレーション、ロールプレイでの採点、ケーススタディなどだ。

何を学んだかを具体化している評価がいい。テストでもいいのだが、ロールプレイやケーススタディなどの方がより良いだろう。

Level 3 行動(Behavior)

Changes in performance at work

研修内容を仕事にどのように応用しているか? 要は行動変化だ。

  • 研修がどのようにパフォーマンスに貢献したか?
  • どのような行動変化が起きたか?
  • 学習がリアルな行動に転換できたか?

などになる。

ここは、「本人の変わりたいという意思」「社内の風土」「変革による報酬」が必要になってくるので、研修だけではどうしようもない部分もあるにはある。

しかし、ここが目指したいところだ

次のResultsが本質的にはもっとも重要になるのは間違いない。なぜなら、Resultsのために研修をやっているから。

しかし、一方でResultsは結果を測定しにくい面もあり、行動変化に当たるこのLevel 3 behavior を目標に添えるのがいいと考えている。

ここでもとても高い目標ではあるが、これをしないと意味がない。

測定は、上司や仲間へのインタビューが使える。営業の訪問数や、読書量など具体化できるものは具体化するべきだ。

Level 4 結果(Results)

Organaizational Improvement

最後はResultsだ。ビジネスへのインパクトを測定するフェーズになる。

  • 組織やコミュニティにどのようなインパクトがあったか?
  • 研修の結果としてどのような成果が得られたか?
  • 研修プログラムのROIはどうだったのか?

などだ。

コストの削減研修やミス防止など数値化ができる目的のものでは、積極的に結果を測定して、ROIを計算するようにするべきだ。

なかなか数値化ができないものでも、例えば企業風土を変えるというような研修であれば、半年後に全体アンケートを取って効果を測定してみればいい。

そうすることで、具対化が可能になってくる。

まとめ

何を測定すればいいかは上記でお伝えした通りだ。

難しいのは「どうやって」の部分だろう。いくつか例を挙げているので参考にしつつ測定を試してみていただきたい。

Level1の評価が完全に無意味というわけではなく、すべて絡み合って、最終的にはビジネスへの影響になってくる。

だからこそ、各段階の評価はしっかりと行い、時間はかかるが、行動変化やビジネスインパクトもできるようであれば測定したい。

得られる研修にすることが、組織の人材教育の価値を上げていく。

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